立秋の候、暑さはまだまだ続いておりますが、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、今回は【病院の経営改革と事業整理】についてお話しさせていただきます。
最近、医師の友人から「職場の閉鎖を通告された」という相談を立て続けに受けました。事業縮小にともなって職員を解雇することは容易ではありません。
医師の給与は他のスタッフと比べて高いので、病院側からは何とかやめてもらおうと画策するでしょう。
医師としては不本意な診療や職務を負わされるくらいなら、転職や開業に進む方が人生やキャリア形成という面でもプラスと思います。
病院としてはもともとギリギリの経営をしていたところを、コロナ禍の襲来によってとどめを刺された形と考えられます。普通に経営していると、眼科が不採算部門になることはあまりないのですが、病院には慢性的な赤字部門がたくさんあります。管理費や売上という採算性だけでなく、他部門との関連、地域における必要性を含めて総合的に判断した場合、経営側が眼科部門を縮小するという選択肢は大いにありえます。
病院不況というのは、病院が倒産するという形ではなく、事業縮小による人員整理という形で静かに進行しています。官公立病院の事業売却も加速するでしょう。コロナ不況のいま、医療はいずれV字回復するという前提で自転車操業している状態です。ポストコロナというものが思ったより厳しいとしたら、医療職もリストラの例外ではないかもしれません。医師も(もちろん私自身も)今の職業に安穏とせず、自己研鑽を続けながら己の技量を上げていかないといけません。今後、客観的な自分の価値を見極め、最善の選択肢をとれるように普段から情報収集や準備を怠らない必要があると考えています。