オリンピックも終わり、気づけば総裁選挙や総選挙の季節が迫っていました。日本の将来を見据える大事な選挙ですので、連日連夜テレビやマスコミも熱を上げて報道しています。
現総理のドタバタ辞任や、日ごとに変わる支援派閥の情勢など話題には事欠きませんが、私にはどうも食傷気味で、イマイチ関心を持てずにいます。
その原因を考えると、それぞれの「理念」というものがまるで伝わって来ていない事に気づきました。みな、コロナ対策や給付金など当面の施策については語りますが、その軸にある理念が感じ取れ無いのです。理念とはもっと将来のこと、つまりはどのような国にしたいかということを指します。
現状を何とかすることで精一杯な昨今の情勢で、もっと将来のあり方を語るなんていうのは難しいだろうと思います。
しかし私個人としては、こんな情勢だからこそ、将来を見据えて理念をしっかりと持ったリーダーに立ってほしいと願わずにはいられません。
ピーター・ドラッカーの言葉を借りるまでもなく、組織には理念が必要です。私が恭青会を設立するにあたって、最初に頭を悩ませた問題が、この理念でした。理念とはリーダーの想いであり、この組織をもって何を成し遂げたいのかということです。
つまり、すべての組織の存在意義を問われているわけで、まずは組織の大本となるものです。社会的使命である「ミッション」や今後を示す「ビジョン」などとも密接に連動します。
もちろん「目の診療をすること」だろうとおっしゃる方もおられるかもしれません。しかし、狭小な視野でもの事を考えると将来が危ぶまれます。これからさまざまな変動変革が予測される時代です。理念は顧客や患者さん相手だけではなく、従業員のためにも重要です。「理念」や「ビジョン」そして「社会的使命」がいかに大事か、次号でさらに深く掘り下げていきたいと思います。