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電子版 慈育4号

いまだに寒い毎日がつづきますが、お変わりありませんでしょうか。

今回は「APVRS体験記」についてお話させて頂きます

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司


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APVRS体験記
昨年12月の末にAsia-Pacific Vitreo-Retina Society (APVRS)のため韓国ソウルに行ってきました。
本学会は、毎年12月前半にあることが多く、アジア各国の持ち回りで行われます。
日本では数年前に名古屋で行われ、来年は中国上海で行われる予定です。網膜硝子体学会は網膜の研究・診断・手術治療など主に臨床面に主眼を置いた学会で、アジアで行われることから、通常の欧米の学会よりもアジア人に焦点した内容となります。アジア人に多いと言えば、近視とポリープ状脈絡膜血管症が有名です。今学会でも近視のセッションが多く見られました。私は病的近視のセッションを任され、演者の選出・演題の調整を行い、私自身も強度近視の黄斑円孔の講演をさせていただきました。また別のセッションでは、強度近視に対する硝子体手術について最新情報の講演を行いました。近視の研究は、日本が最高レベルにあると自負しており、多くの実践的な質問も受けました。自分の国の医療を良くしたいと言う方の情熱は尊敬に値しますし、環境が整わない中でも最善の医療を提供したいと言う思いは、何かしら昔の日本の医師たちを思い出させ、胸の熱い思いがいたしました。
 
法律や倫理は必要ですが、時として体裁を取り繕うだけの規則や手続きを煩雑にする最近の日本の医療は、患者様のために行うと言うことが、何かしら置いてきぼりのように思いました。
 
彼らの熱意に触れるこの学会は、私は大好きで、毎年参加させてもらっています。来年の上海では、プレミーティングとして強度近視のセミナーが1日設けられるそうです。彼らの情熱に負けないよう、我々もがんばっていかねばなりません。
 
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