緑内障治療には点眼薬(プロスタグランジン製剤やβブロッカー、神経作動薬など)を用いて眼圧を下げる降圧療法が一般的ですが、1つの薬で眼圧が下がりきらない場合は、複数の薬を順次追加していくこととなり、多い方では4、5つもの点眼薬を使用しています。
また、緑内障の点眼薬には少なからず副作用があり、外見への影響や角膜表面の障害を起こすことが頻繁に見られます。近視などによって網膜が弱い場合、眼圧を下げても進行を止めるのに十分な効果が得られないことが問題となっています。
緑内障の一般的治療が点眼治療だとされている中で、最近では緑内障のレーザー治療がめざましく発展しました。選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)と言われる治療法が非常に有効であることがわかってきました。最近のイギリスの論文では「点眼治療よりもむしろレーザー治療を重点的に考えるべきだ」との結果も出ました。効果はもちろん個人差がありますが、人によっては点眼薬よりもレーザー治療の方が眼圧が下がる場合があります。
レーザー治療への抵抗や、費用の問題はありますが、一生涯で点眼薬を点し続けるよりも、安価であり、点眼薬で十分な効果を得られない方や、様々な問題から点眼薬を継続できない場合にも有効な治療となることもわかってきています。
いくの眼科では2020年1月より金沢大学の杉山教授、吹田済生会病院の新田先生による緑内障SLT外来を土曜日に開始いたします。当面は完全予約制とさせていただきますが、眼圧コントロールに不安な方や、手術は無理だがもう少し眼圧を下げたい患者様にも最善の緑内障の治療が可能になります。緑内障外来まで直接ご紹介いただくか、スタッフまでお問い合わせください。