近視といっても軽い方から非常に重症な方までいらっしゃいます。近視の方、全員が合併症になるわけではありませんが、近視が強いほどそのリスクは高くなります。ではどの程度の近視になれば、危ないのでしょうか?近視の度数をジオプトリと言う単位で表現します。小学生の軽い近視であれば2から3ジオプトリ程度でしょう。3ジオプトリを超えると視力は裸眼で0.1程度になります。一般に強度近視と言われるのは6ジオプトリを超えるものです。裸眼視力で言うと、0.05程度になると考えられます。これを下回ると急激に近視に関わる病気が増えてきます。
ではどのような病気が多いのでしょうか?最も多いのは緑内障です。
緑内障と言ってもいくつかのタイプがあるのですが、その中でも眼圧が正常であるにもかかわらず、緑内障の症状が出てくる「正常眼圧緑内障」と言う病気を誘発します。
その原因の一つとして近視で目が弱っているためだと考えて差し支えないと思います。長期にわたる治療が必要ですが、発見が早ければ点眼などで治療が可能です。
12ジオプトリを超えると、網膜に関わる病気が出てきます。脈絡膜新生血管や、黄斑円孔、分離症や網膜剥離など恐ろしい病気があります。
その他にも、失明までしなくても字が読めなくなったり、相手の顔が見えなくなったりする病気も多いです。
近視になったことで、絶対に合併症になるとは限りませんがリスクは高まります。
そのため、近視を進行させないような予防治療が必要であると考えます。
大人になってからでは進行の抑制が難しく、子供の時期に取り掛かることが大事だと考えます。近視を正しく理解することと予防が大事です。
また、予防に関しては日本近視学会で「親子で学ぶ近視サイト」を作成しました。恭青会でも近視にかかわる病気に積極的に取り組んでいますので下記サイトを是非ご活用ください。