網膜静脈閉塞症とは、網膜の静脈(血管)が詰まっていく病気で、一部分が詰まる「網膜静脈分枝閉塞症」と、全体が詰まる「網膜中心静脈閉塞症」の2種類があります。前回は「網膜静脈分枝閉塞症」についてお話をしましたので、今回は「網膜中心静脈閉塞症」についてお話をいたします。
網膜中心静脈閉塞症の症状として、視力低下が1番多いとされています。
網膜の血管が詰まることで血液が流れなくなり、網膜の機能が停止してしまいます。
そして、視界全体の光の感度が下がり、視力も下がります。また、視界の歪み等を自覚することもあります。
網膜の血管が詰まる原因として動脈硬化が1番に考えられています。
糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームなどによって動脈硬化が進み、血管が細くなって詰まります。
診断には、眼底写真、蛍光眼底造影、光干渉断層計などが必要となります。
眼底写真だけでも診断は可能ですが、その後の治療方針を決めるのに、他の機器が必要となります。
また、蛍光眼底造影検査は造影剤を使用するため、気分が悪くなったり、アレルギーショックを起こすこともあり、苦手な方もいらっしゃいます。最近では造影剤を使わずに診断できる、光干渉断層計で血管の撮影が可能となりました。
これら検査によって「どの程度血管が詰まっているのか?」「網膜の中心が腫れていないか?(黄斑浮腫)」を把握することが可能です。
網膜静脈閉塞症の治療としては、血をサラサラにする薬を飲んだり、目に注射やレーザー治療を行ったりします。
中心静脈性はその経過が人によって大きく異なることや、病気が慢性的で、治療が長期になること、そしてその時期によって必要な治療が変わるため、その治療の順番や選択肢はよく医師と相談して決めていきます。
また、病気が非常に重い場合は治療を始めても効果がなく、さらには視力が下がっていくこともしばしばあります。
そのため一度治療を開始すると、なかなか病院を変えづらいのが現状です。治療経過や、個々の治療に対する反応も非常に重要ですので、できれば1人の医師と長く付き合うつもりで、信頼できる医師を選ぶことも大切です。