医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈恩36号
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人間の目は2つあり、それぞれが少しずつ角度を変えて物を見つめることで、距離感や立体感を知ることができます。この機能を発揮するためには、お互いの目が同じように動き、同じ位置で静止しなければなりません。相手がまっすぐにこちらを見ている時、両方の目が自分の方に向いています。この目の位置(眼位)がずれることを斜視と言います。厳密には、常にずれを生じる「斜視」と時々ずれを生じるが、気付いた時に修正できる「斜位」の2つがありますが、今回は斜視についてお話させていただきます。斜視は外側に開く【外斜視】内側にずれる【内斜視】そして上下方向にずれる【上下斜視】に大きく分かれます。斜視になる原因は様々ですが、先天的なもの、極端な遠視や近視によるものなどがあります。

 

斜視になると、美容上以外に何が問題でしょうか。

子供で斜視になると、本来両方で見るべきところを、ずれた方の目では見なくなってしまいます。この状態が続くと、子供の目が成長しない「弱視」という状態になります。弱視になったまま成長すると、大人になってからでは回復せず、一生弱い目になってしまいます。失明こそしませんが、あまりよく見えない目になってしまい、常に片目で生活を強いられることはとても不便です。治療は、メガネの作成や弱視訓練です。

 

大人の場合はどうでしょう?

大人になってから斜視になると、物が二重に見える「複視」という症状が生まれます。斜視の種類によって、上下にずれたり、左右にずれたりします。物を片目でみると1つなのに、両目でみると2つに見える場合、多くはこの斜視によるものです。大人の場合、弱視になる心配はありません。プリズム眼鏡(※1)といって、斜視を矯正する特殊な眼鏡を使用することができます。大人も子供もひどい場合は手術をすることも可能です。

斜視は失明する病気ではありませんが、子供の場合は弱視にならないため、できれば3歳までに治療を開始することが望ましいです。大人であっても、複視は非常に煩わしいため、やはり治療が必要と考えられます。

(※1)

斜視による複視、斜位による眼精疲労を軽減させるために用いられる眼鏡です。
プリズム眼鏡は、視線がずれることによる斜視、眼精疲労が伴う斜位がそのままの状態であってもプリズムレンズ(光の進路を屈折させることができる)を使用することでそのズレを補正することができる矯正器具になります。

いくの眼科では月1回金曜午後(完全予約制)専門医師による斜視外来を行なっています。お子さんの眼位異常に気づかれた方、学校検診で指摘された方、そして大人でも二重に見える方は是非この機会に受診を検討ください。

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司 
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