医療法人恭青会 患者様向けメールマガジン
電子版 慈恩39号
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多焦点眼内レンズの選ぶ際の原則について

多焦点眼内レンズは非常に人気で、国内・海外製を含めると多くの選択肢があります。それぞれ異なった特徴をもつことからその選択には非常に気を使います。ただ、選択する際に必ず知っておくべき原則があります。

01.見え方について

多焦点眼内レンズは眼内に入った光をそれぞれの焦点に分配します。3焦点レンズの場合、単焦点レンズの33%程度の光量で見ることになります。少々光量が下がっても、通常は問題ありません。なぜなら物を見る際、100%すべて使っていないからです。この原則に従うと焦点数や焦点幅が増えるほど、各焦点での見え方の質は下がるはずです。新型レンズになるとこれが技術でカバーされるのですが、おのずと限界もあります。これを「気になる程度」か「気にならない程度」かは個人差があり、時間をかけてゆっくりと慣らしていく必要があります。
02.違和感について

ハロー(光の周辺に輪がかかってみえること)・グレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)、ゴースト(2重に見える)など通常の見え方では出ないような見え方をします。光学的に良く見えるようにすればするほど、人工的な操作が加わるため、逆に「違和感」は増加します。違和感を減らしたレンズはありますが、多焦点眼内レンズとしての機能を落としながらバランスをとっているとも言えます。またこういった違和感に関しては慣れる人、慣れない人の個人差が大きいのが現状です。見え方の質をとるか違和感を避けるのか、悩ましい選択と言えます。

03.価格利便性について

海外製は完全に自由診療なため、全体的に高価です。また、注文には前金が必要で、納品までに1~2カ月程度かかります。国内製、海外製問わず、新型レンズほど焦点数や幅が広がるため、高くなる傾向があります。

例を挙げると2焦点より3焦点のほうが高い傾向にあります。ただ、高いレンズが必ずしも自分に合うレンズというわけではありません。国内製のほうが実績は圧倒的に良いです。実績重視の場合は国内製をお勧めしますが、極端に近視が強いなど、目の状態によっては海外製しか使えない場合もあります。

さいごに

このように、自分に合ったレンズを選ぶのはなかなか難しい作業です。また、すべてに満足できる多焦点眼内レンズはありません。自分の中で優先順位を決め、それに従って選択しましょう。

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